青山スタイル|連載コラム
都心にありながら、喧噪を忘れるほど、ゆったりとした上質な時間が流れる街・青山。 緑豊かな落ち着いた環境で、常に最新のファッションやカルチャーに触れることができるこの街は、 まさに大人が愉しむにふさわしい場所です。 「青山スタイル」では、そんな青山で出会えるいま注目の、ひと、モノ、文化、企業をご紹介してまいります。 今回は、プロが使用するマイクやヘッドフォン分野で世界でもトップクラスの人気を誇るドイツの音響機器メーカー、 ゼンハイザージャパン株式会社のショールームを訪問しました。

“モノづくり”大国ドイツの職人技が光る
音響機器メーカー「ゼンハイザー」
ゼンハイザージャパン株式会社 久保省三さん ゼンハイザー SKM4031
世界中のトップアーティストに採用されているワイヤレスマイクロフォン「SKM 5200」

ー まずは、ドイツに本社を置く御社の成り立ちについてお聞かせください。

ゼンハイザーの誕生は、いまから半世紀以上前の1945年に遡ります。 物資も乏しい終戦直後のドイツで測定器を作る会社としてスタートしました。 社名は、創始者であるフリッツ・ゼンハイザー博士の名に由来しています。音響を専門とするゼンハイザー博士は、 世界中の人々に使ってもらえる技術開発に取り組みつづけ、やがて主力商品はマイクロフォンへと移行していきました。

ゼンハイザー博士のひたむきな情熱と、古くから“モノづくり”大国として卓越した技術を誇るドイツ職人たちの手によって作られたマイクロフォンは、 その高い完成度と音質で、あっという間に世界中のプロフェッショナルたちに、その名を知られるようになりました。 さらに、無線の技術をいち早く導入し、ワイヤレスマイクロフォンの分野でも世界をリードする存在となっています。

「音へのこだわり」を具現化したようなゼンハイザーのマイクロフォン、ワイヤレスマイクロフォンは、 現在も世界中のミュージシャンやサウンドエンジニア、ニュースキャスターに愛され、音響の世界を支えつづけています。 日本国内でも、テレビ局や有名劇場、コンサートステージで必ず見かけると言っていいほど、 ゼンハイザー製マイクロフォンの実力は高く評価されています。

ー マイクロフォンから、その後、ヘッドフォン開発にも進出していくわけですね。

マイクロフォンの内部には、トランスデューサーというものが入っていて、音の振動を電気信号に変える役割を担います。 ヘッドフォンは、マイクロフォンの逆で、この振動板を通して再生装置から出された電気信号を音として受け取る機器です。 ですから、この開発の流れは、ある意味、必然であったのでしょう。 そして、常に最高水準を求められるプロの世界で最高位のマイクロフォンを提供しつづけてきたゼンハイザーの音響技術は、 ヘッドフォン開発にも大きく貢献することになりました。

ー ヘッドフォン開発の歴史における代表作といえば?

それは、もちろん、世界初のオープン型ヘッドフォン「HD 414」でしょうね。 1968年の発売当初、リスクを承知で生産した5000台が瞬く間に完売。 その当時において、販売台数1000万台以上という驚異的なヒット商品となり、 ヘッドフォン業界におけるエポックメイキング的な存在となりました。 今でも根強いファンがいる知る人ぞ知る名機です。

サウンドの“プロフェッショナル”として
究極のヘッドフォンを追求しつづける
HD 414
世界初のオープンエア型ヘッドフォン「HD 414」の復刻版レプリカ

ー ここ数年、携帯音楽プレーヤーの急速な普及を背景に、 イヤフォン・ヘッドフォンにより優れた音質を追求するユーザーが増えてきています。 数万円もする高級モデルが売れ筋ランキングの上位に入るなど“音”へのこだわりは幅広い世代に浸透してきているようです。 そんな中でも、ゼンハイザーの製品はプロ、アマチュア問わず絶大な支持を得ていると聞いております。

おかげさまで、たくさんのお客様から高い評価と満足の声をいただいています。 実際、ここ数年は、店頭価格数万円から16万円近い高額のハイエンドタイプまで着実に売り上げを伸ばしていて、 “音”に対する本格志向の高まりを大変うれしく感じています。

ー ハイエンドタイプのフラッグシップモデルを教えてください。

2009年に発表された「HD 800」です。ゼンハイザーが、長い歴史の中で培ってきた技術をフルに活用し、 新たなステージを目指した究極のヘッドフォンです。オープンエア型ヘッドフォンの最高峰と呼んでも良いでしょう。 これまでの常識を覆すような斬新な技術がふんだんに取り入れられています。まずは、試聴してみてください。